2020年01月01日

京都名庭100選

京都名庭100選


【大原】 三千院、実光院、宝泉院、勝林院
【北山】 大徳寺瑞峯院大仙院高桐院龍源院源光庵、光悦寺、金閣寺、等持院、正伝寺
      神光院原谷苑妙心寺大心院退蔵院、東林院、大法院、桂春院梅宮大社
      龍安寺、仁和寺、法金剛院しょうざん光悦芸術村
【洛北】 貴船神社、詩仙堂圓光寺、曼殊院、金福寺蓮華寺実相院、真如堂、平安神宮
      無鄰庵、洛翠庭園、銀閣寺白沙村荘法然院、南禅寺、天授庵、南禅院、
      安楽寺、妙満寺圓通寺
【東山】 建仁寺、高台寺圓徳院知恩院青蓮院東福寺光明院龍吟庵即宗院
      天得院、芬陀院、普門院、霊雲院、泉涌寺、雲龍院、智積院、清水寺
【洛中】 京都御所、拾翠亭、仙洞御所、二条城、神泉苑廬山寺宝鏡寺、本法寺、法輪寺、
      妙覚寺、妙顕寺、妙蓮寺、相国寺瑞春院、北村邸四君子苑、東本願寺渉成園、
      杉本家路地庭、東寺・観智院
【嵐山、嵯峨、高雄】 天龍寺、宝巖院宝筐院、大河内山荘、高山寺大覚寺祇王寺
      厭離庵、常寂光寺
【洛西】 苔寺(西芳寺)、松尾大社、地蔵院、桂離宮、善峰寺、十輪寺正法寺、粟生光明寺、
      楊谷寺    
【洛南】 城南宮、御香宮神社
【山科、醍醐】  醍醐寺三宝院、勧修寺、毘沙門堂、随心院
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2008年12月04日

宝鏡寺(京都名庭100選)

宝鏡寺(ほうきょうじ) (北山)

秋から冬への移り変わり探索 第3弾。

堀川通り沿いにある「宝鏡寺」(ほうきょうじ)も、自由に終わりかけの境内の紅葉を拝観できます。
「宝鏡寺」(ほうきょうじ)は、室町時代の尼寺で、直衣雛(のうしびな)や、皇女和宮の遺愛の品など天皇から賜った多くの人形を所蔵し「人形の寺」として有名です。

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現在もこれらの人形を所蔵していて、春と秋に特別公開されています。秋には人形供養祭が営まれますが、橘と紅葉に囲まれた「人形塚」は、秋を惜しむ哀しさを醸し出しているようです。
人形よ 誰がつくりしか
誰に愛されしか 知らねども
愛された事実こそ
汝が成仏の誠なれ
 武者小路実篤 (「人形塚」句碑)

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神光院(京都名庭100選)

神光院(じんこういん) (北山)

秋から冬への移り変わり探索 第2弾。

「瑠璃光院」の豪華な紅葉に圧倒された後に、ゆっくりと秋から冬への移り変わりを味わえる場所を探し、西賀茂に移動して、これを紅葉の見納めとしました。
「神光院」(じんこういん)は、西賀茂の弘法さんとして親しまれており、東寺、仁和寺とともに「京都三弘法」の一つとなる「弘法大師ゆかりの寺院」です。

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鎌倉時代のお寺ですが、幕末の歌人で、画家の富岡鉄斎を引き取り育成したことで知られる「蓮月尼」が晩年を過ごした庵があります。
花の寺として有名で、カエデと桜の紅葉が真っ赤な参道を進んで山門をくぐると、本堂の手前に池があり、紅葉が水面に浮かぶ池のほとりには、樹齢200年の八重のサザンカが真っ白な花を開き、赤と白のコントラストが素敵です。
観光ルートからは外れていて、自由に境内を拝観できるので、ゆったりとした気分で、晩秋から初冬へのうつろいを感じるのにピッタリの場所です。

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瑠璃光院(京都名庭100選)

瑠璃光院(るりこういん) (洛北)

秋から冬への移り変わり探索 第1弾。

今年の紅葉もそろそろ見納め段階。これで多分、最後のチャンスになると思いますが、最後にぜひ行って見たいのは、今年特にテレビなどでの露出度が高かった「瑠璃光院」です。
特別公開終了直前で、平日にもかかわらず凄い人出でしたが、紅葉を堪能し切ったという感じです。
「瑠璃光院」は、元々かま風呂で有名な料理旅館を、あらたに寺院にして、2005年から限定公開したものなので、つい最近の人気スポットですが、その歴史は何かとってつけたような観がなきにしもあらずです。
パンフレットによると、「この地は壬申(じんしん)の乱で負傷した大海人皇子(天武天皇)が「八瀬の釜風呂」で傷を癒されてから、平安貴族や武士たちに愛された保養地だった」そうで、昭和の初めにこの敷地に数寄屋造りの建物と、名園を作庭されたといいます。囲碁本因坊位の対戦場にもなったことがあるそうです。

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ここの特長は、庭園を1階からだけでなく、2階からも見下ろせることで、真近かに見下ろす紅葉というのは、ここでしか見れません。
しかも庭園は、山門から玄関までの「山露路の庭」と、書院前の「瑠璃(るり)の庭」と、茶室前の「臥龍(がりょう)の庭」の3つの庭園があり、どれもが、異なる種類のカエデが組み合わされて織り成す鮮やかな色と、瑞々しい苔とのコントラストで、絶妙なファンタジー空間を作り出しています。
「山露路の庭」は、入り口の石段参道の傾斜地に色とりどりの数十種以上のもみじが、苔と水の流れに映え、この時期ならではの散りもみじとなって、最高の出迎えをしてくれます。
「瑠璃の庭」は、苔の絨毯の間を縫うように、せせらぎが優美な曲線を描いて流れている庭で、ある気象条件になると瑠璃色に輝いて浄土の世界が現れるそうですが、
これを2階から鳥瞰で見下し、さらに1階の書院に座って普通に見ていると、今にもそういう情況が現れそうな心地がします。
「臥龍の庭」は、今、まさに天に駆け昇ろうとする龍を、水と石で表した池泉庭園で、茶室「喜鶴亭」にそこに覆いかぶさるようにして枝を伸ばす紅葉が華やかです。

「秋の季節のためにある庭」という感じですが、他の季節にはどういう顔を見せてくれるか、期待の膨らむお寺です。

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2008年11月28日

泉涌寺(京都名庭100選)

泉涌寺(せんにゅうじ) (東山)

染まりゆく秋巡り本番 第13弾。

東福寺から10分ほどゆるやかな坂道を上がっていくと、「泉涌寺」に着きます。
「泉涌寺」(せんにゅうじ)は、古くから皇室との関係が深く、「御寺」(みてら)と呼ばれていて、平安京以来の天皇が祀られています。本坊内には御所から移築された御座所を始め皇室ゆかりの部屋があり、天皇皇后両陛下が御休憩された「王座」や、秋篠宮両殿下が参拝された「勅使の間」などがあります。
また、歴代皇族への献華から始まった「華道月輪未生流」発祥の地で、歴代長老が家元を継承しています。「御寺」の悩みは、檀家を持てないので金銭的に苦しい状況にあるらしく、観光に力をいれるか、この未生流に頼っているのかもしれません。

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庭園は、明治に御殿が再建されたときに作庭された、御殿庭園ともいわれる「林泉形式」(林や泉で構成される)庭園で、鶴島、亀島の間を白砂の大海が広がり、ゆるやかな勾配の築山と、石組、やわらかな曲線のなぎさの池泉という控えめな構図に、真っ赤な紅葉が華やかさを加え、雅な風情を醸し出している庭園です。
庭園にある灯篭は、仙洞御所より移された「泉涌寺型雪見灯篭」といわれているもので、片隅にある蹲(つくばい)は、菊の形をしていたりして、他とは違う、まさに高貴な雰囲気の庭園です。

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即宗院(京都名庭100選)

即宗院(そくしゅういん) (東山)

染まりゆく秋巡り本番 第12弾。

「即宗院」は、九条家の別荘「月輪殿」があったところに島津家の菩提寺として建立されたもので、大河ドラマ「篤姫」に出てきた幕末の西郷隆盛と月照が、ここで密議を重ねていた所です。

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庭園は、昭和になって復元されたものですが、平安時代の公家寝殿造系庭園の面影が残り、心字池と苔と紅葉がマッチして気品のある美しさになっています。枯山水の多い東福寺塔頭の中で水っぽい癒しを感じました。

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龍吟庵(京都名庭100選)

龍吟庵(りゅうぎんあん) (東山)

染まりゆく秋巡り本番 第11弾。

「龍吟庵」は、禅宗寺院最古の国宝方丈を持つことで有名で、「足利義満」筆の額があり、書院造に寝殿造が混じった方丈建築は建築史的にも価値のあるものだそうです。

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庭園は、方丈を三方で取り囲む枯山水庭園で、昭和39年「重森三玲」作庭です。
方丈前の「南庭」は、白砂のみのシンプルな庭で、何もないからこそ一瞬ドキットさせられる庭です。
「西庭」は「龍の庭」で、青石の龍が、白砂と黒砂の雲海を泳ぎ、昇天してゆく姿を表しているもので、これが真っ赤な紅葉に引き立てられて、まさに1枚の絵になっています。
もう一つの「東庭」は、ガラット変わって、赤砂の上に、いくつかの石を置いてあって、これも一瞬「何だこれは」とドキットさせられる庭です。
「日本庭園」の奥深さを知り尽くすのは大変なことだと、あらためて思い知らされます。

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普門院(京都名庭100選)

普門院(ふもんいん) (東山)

染まりゆく秋巡り本番 第10弾。

東福寺は25の塔頭を持ちますが、庭園も見所満載です。
「普門院」(ふもんいん)は、通天橋を渡った先にある「開山堂」の左手にあり、江戸時代に作庭されたのものを昭和になって「重森三玲」が復元した庭園があります。
「開山堂」(常楽庵)は屋上の閣(伝衣閣)に特長がありますが、「京の五閣」(金閣、銀閣、西本願寺の飛雲閣、大徳寺芳春院の呑湖閣)に数えられます。

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庭園は、中央の石畳の参道を挟んで、左側の平坦な白砂の枯山水庭と、右側の築山のある池泉庭が、独立しながら一つの庭園として共存しているという、非常に高尚な作品です。
そして、この庭にも「重森三玲」らしさが見られ、白砂の市松模様の美しい砂紋と、鶴亀の石組との対比が素晴らしく、池泉庭の無数のサツキと石組や石橋の対比は見応えがあります。
サツキの時期にも訪れたい庭園です。

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東福寺・方丈(京都名庭100選)

東福寺・方丈庭園(とうふくじ・ほうじょう) (東山)

染まりゆく秋巡り本番 第9弾。

「光明院」から、5分ほど歩いたところの「東福寺」。予想に違わず人人人ですが、先週の連休よりはマシらしい。
「東福寺」は、奈良の「東大寺」と、「興福寺」の名前をとって名付けられただけあって、広大な境内に伽藍が並び、大徳寺の「茶づら」、建仁寺の「学問づら」、南禅寺の「武家づら」、妙心寺の「算盤づら」に対し、東福寺の「伽藍面(がらんづら)」と呼ばれる所以です。
それだけに紅葉の規模も半端ではなく、その豪華さには圧倒されますが、昔は桜もあったそうで、室町時代に花見に浮かれるのを嫌って伐採し、その後、中国から持ち帰った「唐カエデ」を植えて、現在2,000本もある一大パノラマを作ったということですが、結局、「花見が紅葉狩りに浮かれる」に変わったわけです。
通天橋から見下ろす絶景は「通天紅葉」と言われますが、渓谷「洗玉澗」をまたぐ三つの橋、臥雲橋、偃月橋が鑑賞ポイントになっています。

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庭園は、昭和に作られた「重森三玲」の代表作で、方丈を囲んで東西南北4つありますが、四方を囲んでる庭園はここだけで、「八相の庭」と呼ばれています。鎌倉時代の気風に合わせて派手さを抑えた感じにしてるらしいですが、重森三玲の庭は独特で結構派手に見えてしまいます。
方丈正面「南庭」は、巨大な岩と渦巻く砂紋で広い海を表した枯山水庭園で、
次の「西庭」は、さつきの刈り込みと砂地を、苔と角石で大きな市松模様を表現する、「井田市松」と呼ばれる庭園です。
次の「北庭」は、苔地に敷石を市松模様に配置して、水分をたっぷり含んだ苔の緑とのコントラストが、背後の丸刈りのサツキとも調和して美しく、また、この時期にしか見れない通天橋の真っ赤な紅葉と黄金色の紅葉が一体になって最高の絵になっています。
次の「東庭」は、円柱の石で北斗七星を形作っている「北斗の庭」で、後方の生垣を天の川に見立てた小宇宙空間を表現しています。
先の「光明院」に続き、「重森三玲」という人の凄さには、あきれ返らんばかりです。

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光明院(京都名庭100選)

光明院(こうみょういん) (東山)

染まりゆく秋巡り本番 第8弾。

紅葉の名所、「東福寺」界隈では、昭和の作庭家「重森三玲」の作品をまとめて見ることが出来ます。「松尾大社」や大徳寺「瑞峯院」も有名ですが、ここには、「東福寺・本坊」、「龍吟庵」、「霊雲院」、「光明院」、「泉涌寺」の庭園がすべて、「重森三玲」の昭和庭園で、力強い石組みと紅葉のハーモニーが楽しみです。

「光明院」は、東福寺の塔頭で、室町時代のお寺ですが、入った途端に広がる「波心庭」が素晴らしい。
原則非公開だが、参詣者を拒まないというだけに、タクシーのお客さんが多く、知る人ぞ知るという感じです。

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「虹の苔寺」とも言われるとおり、美しい苔の緑と、白砂と、その中に立てられた仏を表わす大小75個の石の配置は、まさにJRのポスターにあるように「論理的、科学的に説明してもらえませんか」と言いたくなるような絶妙さです。しかも、これに真っ赤な紅葉が参加すれば、この場所で、この時期にしか見れない最高の贈り物です。さらに背後の雲になぞらえた大刈り込みのサツキやツツジの時期も必見です。
これだけのスペースに、池あり、波あり、雲あり、仏あり、月まであって、しかも四季ごとに、見る人の見方により、無限の姿・形があり、「いつでも、どっからでも、見ていいですよ」と言っているような寛大さもあって、
あらためて、庭園の魅力と、これが昭和に造られたという日本人の凄さに感銘します。
何回も訪れたいお寺です。

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2008年11月21日

宝筐院(京都名庭100選)

宝筐院(ほうきょういん) (嵐山)

染まりゆく秋巡り本番 第7弾。

天竜寺を通り過ぎて、清涼寺の突き当りを左折すると、嵯峨野の穴場的な紅葉の名所「宝筐院」があります。
「宝筐院」(ほうきょういん)は、平安時代に建立され、室町時代に足利義詮(よしあき)の菩提寺となったお寺ですが、境内にその義詮の墓と、敵対していた南朝の名将、楠木正行(まさつら)の首塚が並んで葬られているということで有名です。

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庭園は、回遊式枯山水庭園で、まっすぐのびた石畳の左右を覆う杉苔の青さに、真っ赤に色づいた楓の木々が美しく映えて超華やかなお庭です。
南北朝の両将の墓が並ぶドロドロとした部分を、華やかな景色が包み込んでいるような気がしました。
ここも、静寂な中で、ゆったりと時をすごせるような時期に訪れたいところです。

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宝巖院(京都名庭100選)

宝巖院(ほうごんいん) (嵐山)

染まりゆく秋巡り本番 第6弾。

「宝巖院」(ほうごんいん)は、天龍寺の塔頭の一つで、通常は非公開の紅葉の名所ですが、今は観光ずれしてしまって、せっかくの名庭もゆっくり見ることが出来ません。それでも頑張って見事な紅葉色に染まる「獅子吼の庭」(ししくのにわ)を回遊してきました。

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嵐山を借景とした回遊式山水庭園で、ここは長らく個人所有の邸宅であったものが、平成14年に140年ぶりに公開されているという非常に貴重な庭です。
そしてこの庭は、人生を思わせる海の中に、彼岸に渡る船や獣の形をした石が配置されているというストーリーがあって、「獅子岩」、「碧岩」や「響岩」といった巨岩が目立ち、松の緑や真っ赤な楓と、その間を流れる小川と苔の絨毯が素晴らしい景観を演出しています。
更に、特筆すべきは、ここは時代劇撮影のスポットで、必殺仕事人や暴れん坊将軍、鬼平犯科帳・銭形平次など、数々の時代劇の舞台になるくらい絵になるところです。
それにしても、人が多すぎる。本来は、静寂が似合う庭園です。

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高山寺「石水院」(京都名庭100選)

高山寺「石水院」(せきすいいいん) (高尾)

染まりゆく秋巡り本番 第5弾。

急激に冷え込んで、紅葉のペースが速くなってきて、清滝川沿いに並ぶ「高山寺」、「西明寺」、「神護寺」の「三尾」(さんび)の紅葉パラダイスを堪能しました。

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「高山寺」(こうざんじ)は、奈良時代に創建された古寺を、鎌倉時代に明恵上人(みょうえしょうにん)が再建したもので、京都と言うより、奈良、鎌倉の臭いがします。
京都に17ある世界遺産の一つですが、見所は、国宝の「石水院」と「鳥獣人物戯画」に日本最古の茶園です。
「石水院」(せきすいいん)は、この山深い栂尾(とがのお)の中で、明恵上人が住んでいた鎌倉時代の住居ですが、
ここで好きなところは、「蔀戸」(しとみど)と呼ばれる斜めに組んだ格子戸や、上半分をはねあげた窓から透かして見る外の景色です。
老松や古杉、楓などの樹木が茂った自然がそのまま庭園になったような感じで、以前緑茶のCMロケにも使われたことがあるという縁側に座って、四季ごとに変化する自然の神秘さを見ると、心が落ち着きます。ここにはもう一つ、知る人ぞ知る不思議なものがあって、悟りを開く理想の姿とされている「善財童子」(ぜんざいどうじ)の木像が、なんとも言えぬ癒しを与えてくれます。
「鳥獣人物戯画」は、カエルとうさぎが相撲をとるシーンなど、歴史の教科書でも見覚えのあるものですが、なぜここにあるのかよく分かってないようです。11メートルもあるという巻物は、日本最古の漫画とも言われ、当時の僧侶や貴族を風刺したものです。全4巻あって本物は東京国立博物館と京都国立博物館にあるそうです。
「日本最古の茶園」は、鎌倉時代に栄西が宋から持ち帰った茶葉を、明恵に贈り、ここで栽培した茶葉が宇治や駿河へ移植されて全国に普及したという経緯があって、ここが「茶の発祥地」とされ、毎年宇治の新茶が献上されるそうです。
広い境内には、いかにも素朴な開山堂や金堂もありますが、あえて手を加えてない自然そのままの景観の中に溶け込んで、真赤な紅葉がアクセントを添えて絶妙のコントラストを醸し出しています。

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高山寺の表参道から清滝川沿いに歩くと、まさに絵に描いたような紅葉の絶景ポイントが現われます。
「西明寺」(さいみょうじ)は、空海のお弟子さんが建てた神護寺の別院ですが、入り口の「指月橋」は京都でも屈指の紅葉スポットです。シャッターの音が鳴り止みません。

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更に清滝川を下り、高雄橋を渡ると、400段もあるという急勾配の参道が現れます。
「神護寺」は、弘法大師が真言宗立教の基礎を築いたところですが、
金堂をはじめ、大師堂、五大堂、毘沙門堂、書院に茶室、宝蔵、霊廟、鐘楼、多宝塔、地蔵院などの建物がずらりと並び、それぞれに真赤な紅葉が彩りを添えています。
頑張って登っている高齢のシニア達が目立ちますが、それだけの価値は充分にある古刹です。

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2008年11月08日

圓通寺(京都名庭100選)

圓通寺(えんつうじ) (洛北)

染まりゆく秋巡りのスタート 第4弾。

「圓通寺」は、元々は後水尾天皇の山荘で、霊元天皇の乳母、円光院文英尼が開山して以来、皇室の祈願所となったところです。

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後水尾天皇は最も比叡山の眺望に優れた地を求めて、ようやくこの地を探し当てたということで、比叡山を借景とした枯山水庭園からの眺めを愛していましたが、この地には水がないため、修学院離宮を造成するに至ったという話です。
従って、なんと言っても、柱と庭の杉やヒノキの木立の間から見える、薄青い比叡山の借景が見事で、この寺から見る比叡山は京都一と言われています。
しかもこの時期には、赤く色づいた紅葉と、苔と大小40個の庭石とがベストマッチングーで、おまけに生垣の向こうの竹林も計算されていて、昔の日本人はなんとセンスがいいのだろうかと驚嘆するばかりです。
特筆すべきは、ここでは撮影禁止の貼り紙が特に強調されていて、以前はこの借景庭園を守るため、周囲の土地を買い足したり、ガイドブックにも極力載らないようにしたり、小学生以下拝観禁止、団体は事前申込制、写真撮影厳禁という厳しい姿勢を貫いていたが、周囲の開発が進み、もはやこの庭園の景観はこれまでと悟った住職が数年前より写真撮影の許可を出したということです。
遠慮しながらも、しっかりと撮影してきました。

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圓光寺(京都名庭100選)

圓光寺(えんこうじ) (洛北)

染まりゆく秋巡りのスタート 第3弾

「圓光寺」は、徳川家康が学問所として造った圓光寺学校を移転したもので、現在は南禅寺派研修道場として坐禅会などが実施されており、境内奥の山には、家康を祀った東照宮があり、高台には家康の歯が埋まっているらしい墓もあります。玄関には現代日本画家の渡辺章雄の「四季草花図」が彩りを添え、宝物館には、我が国最古の木製活字(重要文化財)や円山応挙の「竹林図屏風六曲」渡辺始興の「寿老人図」(何れも重要文化財)等が展示されています。
近年までは日本唯一の尼僧の禅修行道場だった関係からか、近くの金福寺で晩年を過ごした「花の生涯」のヒロイン「村山たか女」の墓もあります。

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庭園は、「十牛の庭」と呼ばれ、見事な枝振りの百日紅の老木と、降り注ぐかのような紅葉の中に、本当に牛がいるかのような石組みが素晴らしい。庭を歩くと、洛北で最も古いと言われる栖龍池(せいりゅうち)の水面が鏡となって紅葉を映し出し、裏手にはすばらしい孟宗の竹やぶがあります。水琴窟の音を聞きながらゆっくりした時間が過ごせます。
欲を言うならば、ここの紅葉は今の時期より、「散り紅葉」の方がベストかもしれません。老木の「百日紅の花」も見る価値ありです。

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蓮華寺(京都名庭100選)

蓮華寺(れんげじ) (洛北)

染まりゆく秋巡りのスタート 第2弾。

「蓮華寺」は、ちょっと不便なところで分かりにくい場所ですが、詩仙堂の石川丈山や朱子学者の木下順庵、画家の狩野探幽、黄檗の隠元禅師らの協力を得て造営され、黄檗宗の様式建築と江戸初期の池泉鑑賞式の典型ともいえる庭園をもつ寺院で、紅葉の時期にははずせません。

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庭園は、石川丈山作とも小堀遠州作とも言われ、まず目に飛び込んでくるのは、水面が輝いて見える綺麗な湧き水を湛えた池ですが、これに紅葉が見事に映って、「床もみじ」ならぬ「池もみじ」になっています。この池は「水」の字の形に作られていて、「心字池」ならぬ「水字形」と呼ばれるそうで、左前方に亀島と鶴石が、右手前に舟石(ふないし)と呼ばれる石が配され、後方には、蓬莱山の姿が岩組みによって築かれています。
ここはお堂の柱が特に多い感じですが、逆にこれも風景の一部として見るように作られているそうで、庭園を見る時は、畳2枚分くらい下がって見てくださいということです。これは他でも庭園を見るときの一つのコツです。
鷲の杉戸絵がある本堂前には、ちょっと特長のある六角形急勾配の笠をつけた蓮華寺型石灯籠があり、江戸時代には茶席の庭によく使われ、茶人の間では有名なものだそうです。

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2008年10月10日

源光庵(京都名庭100選)

源光庵(げんこうあん)(北山)

染まりゆく秋巡りのスタート 第1弾。

絶好の秋晴れに誘われ、今年もやってくる本格的な紅葉の到来を前に、京都の秋の気配を探して、「源光庵」(げんこうあん)を訪問。
予想通り、終わりかけの「萩」と、秋を知らせる「ススキ」と、少しばかり色づき始めた「紅葉」が、澄みきったスカイブルーとベストマッチングの風情を醸し出し、金木犀の香りを感じながら、朝早い時間で誰もいない「悟りの窓」と「迷いの窓」の前に沈思黙考。気持ちのいい時間を過ごした。

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ここ、鷹ヶ峰の光悦寺、常照寺、源光庵と近くの正伝寺、神光院は、何回来ても飽きることのないお勧めルートであるが、源光庵は平成16年からずっと工事中で、この10月1日からリニューアルオープンしたそうで、ジャストタイムリーな拝観になった。
「源光庵」といえば、丸い「悟りの窓」と四角い「迷いの窓」であるが、この時期の門前の雰囲気は素晴らしく、山門を背景にして「ススキ」と「萩」が秋を知らせてくれる。更に素晴らしいのは、写真でも分かるように、山門の丸窓がお月様に見えて、昼間からお月見が出来るという最高のサービスを提供してくれる。更に山門をくぐるとすぐに、薄いピンク紫色の可憐な花「紫苑」(しおん)や、早咲きの「椿」などが迎えてくれて、メインに行き着くまで充分に愉しませてくれる。

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ここの庭園は言うまでもなく、「悟りの窓」と「迷いの窓」から見る枯山水庭園で、四季折々に趣の変わる庭を眺めながら、ゆっくりと我が道を振り返り、角窓の「迷い」から丸窓の「悟り」へ想いをめぐらす絶好のスポット。
「迷いの窓」は、「人間の生涯」を象徴し、「悟りの窓」は、「禅と円通」の安らいだ心を表わしている。

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窓越しからは見えないが、書院側からは、亀形の石組みと刈り込みの本格的庭園が全貌でき、借景にしている、五山の送り火の船形の船山まで続いているかのような広さと奥行きを感じさせる庭である。

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もう一つの見所は、「血天井」で、近所の正伝寺、東山の養源院、大原の宝泉院、宇治の興聖寺にも写真のような足や手の形がはっきり見える天井がある。伏見城で徳川軍が豊臣軍の石田三成軍勢に負けて自刃して果てた時の血がついた床を天井に祀って死者の冥福を祈っているもの。
生々しい血天井という現実から、悟りを開いた宇宙へと導いてくれそうな時間を過ごした秋の1日であった。
紅葉シーズンも勿論絶景であるが、迷いの多い人は、ゆっくりと落ち着いて拝観出来る今頃が最適。

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2008年09月12日

桂春院(京都名庭100選)

桂春院(けいしゅんいん)(北山)

逝く夏を惜しむ妙心寺庭園巡り 第3弾。

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桂春院は方丈・書院のまわりに4つの庭があり、方丈北側の枯山水の坪庭「清浄の庭」、方丈南側は苔の美しい平庭「真如の庭」、方丈東側には馬酔木やもみじなどの樹木が植えられ奥山の風景をかもし出す「思惟の庭」、そして書院前庭の「侘の庭」から茶室「既白庵」に通じている。茶室は隠れたように建てられているが、これは、茶の湯が公に行われていた大徳寺に対して、妙心寺では修行の妨げになるとして、茶の湯、香、生け花などは表向き禁止されていたため。

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沙羅双樹で有名な東林院は、6月ころの開花時期にのみ公開される。沙羅双樹は京都では結構見かけるが、ここの沙羅双樹は樹齢350年の大木で、水琴窟の雅びな音色を聞きながら苔上に落ちた花を見ると、諸行無常の響きと、与えられた一日だけの生命を精一杯生きることを教えられる。

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大法院は、春の新緑と秋の紅葉の時だけ特別公開しており、露地庭は隠れた紅葉名所。ぜひ改めて紅葉の時期に訪れたい。幕末の兵学者、佐久間象山の墓がこの寺にある。

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大心院(京都名庭100選)

大心院(だいしんいん)(北山)

逝く夏を惜しむ妙心寺庭園巡り 第2弾。

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大心院は、もともと全国に広がる妙心寺の僧侶の宿坊で、今は一般にも開放されているので、精進料理も味わえる。ここのスポットは、方丈東庭の「阿吽庭(あうんのにわ)」。石で仏と菩薩を表した三尊石を中心に、苔と白砂と17個の岩で構成され、第二の本堂と言われる。びっくりするのは、この枯山水庭園が昭和に造られたということで、先に見た退蔵院の余香苑や城南宮の楽水苑も造った「昭和の小堀遠州」といわれる中根金作の作。他にも南側にはボタンが美しい「牡丹の庭」、さらに「清竹の庭」とアットホームな雰囲気をかもし出す。

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退蔵院(京都名庭100選)

退蔵院(たいぞういん)(北山)

逝く夏を惜しむ妙心寺庭園巡り 第1弾。

日本最大の禅寺と言われる妙心寺は、京都でも最大規模を誇る大寺院で、塔頭は内外に48箇所もあって、他の東福寺25や南禅寺12などと比べてもとび抜けて多く、全部を見る機会もなかなかなかったが、今回はこの内の庭園狙いで、退蔵院、大心院、桂春院、東林院、大法院を観ることにした。

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日本全国の臨済宗約6,000寺のうち、3,400寺が妙心寺派であるというから、その宗派としての規模も大きい荘厳な大本山である。大企業なみの徹底した組織運営を行い、臨済宗きっての巨大教団を形成したことから、大徳寺の茶づら、建仁寺の学問づら、相国寺の声明づら、東福寺の伽藍づら、南禅寺の武家づらなどに対して、「妙心寺の算盤面(そろばんづら)」と言われる。
近くの大徳寺と感じが似通っていると思ったが、花園法皇創建当初は大徳寺に属する一子院であったそうで、その後、戦国武士や民衆の支持を得て大きくなり独立している。

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退蔵院はその内でも見所満載で、禅問答の水墨画で有名な「瓢鮎図(ひょうねんず)」、狩野元信作庭の枯山水庭園と、全国でも有数の昭和の名園と言われる「余香苑」という室町と昭和の二つの庭園、透き通った響きをなす水琴窟(すいきんくつ)がある。
「瓢鮎図」は、「瓢箪でどうすれば鯰が捕らえられるか?」を考えさせる画で、宮本武蔵がこれを前に自問自答したといわれ、刀のツバにも瓢箪と鯰が描かれているという。(本物は京都国立博物館)
室町時代の「元信の庭」は、狩野元信の最後の作品が造園であったという珍しい作品だそうで、自分の描いた絵を立体的に表現しなおし、絵画的手法を取り入れた枯山水。
一方の昭和の名庭「余香苑」は、近代庭園でありながら、平安王朝の雅びやかさをもつ広い回遊式庭園で、四季折々の花が楽しめる。
この一角に神秘的な音楽を奏でる水琴窟があり、古人のわびさびの風情のハーモニーが味わえる。

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